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泣ける秋映画!本編冒頭祭
ただ、君を愛してる
作品情報

●ジャンル:恋愛ドラマ

●上映時間:116分

●配給:2006東映

●監督: [監督]新城毅彦
[原作]市川拓司
[製作]樫野孝人ほか
[脚本]坂東賢治
[音楽]池頼広
[主題歌]大塚 愛
[出演]玉木宏 宮崎あおい 黒木メイサ 小出恵介 上原美佐 青木崇高 大西麻恵

●製作:新城毅彦  

●出演:玉木宏 宮崎あおい 黒木メイサ

オフィシャルサイト

[c]2006「ただ、君を愛してる」製作委員会  
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大塚 愛 主題歌『恋愛写真』

「いま、会いにゆきます」の市川拓司の原作を、玉木宏と宮崎あおい主演で映画化した切ない恋物語。2003年に公開した「恋愛寫眞 Collage of Our Life」のアナザーストーリー。

大学の同級生で、写真撮影を通して距離を縮めていった誠人(まこと)と静流(しずる)。しかし彼女は突然、彼の前から姿を消してしまう。それから2年、NYから届いた静流の手紙を手に誠人は、彼女に会うため渡米する。

やはり、宮崎あおいは、若手女優の中でナンバー1の表現力を持っている。そう思わせる出来を、映画『ただ、君を愛してる』が見せてくれることを請け合おう。

彼女は元々、演技力に定評がある女優だ。子役といっても問題ない頃から映画に出演し、最近では、NHK朝の連続ドラマに出演するなど、着実にキャリアを踏んできた彼女は、これまで年不相応なほどの深みのある演技をみせてきた。が、その中でも、特にファンタジックでキャラクター性が強い本作の里中静流という女の子をどのように演じるのかは興味深かった。

『ただ、君を愛してる』は、松田龍平、広末涼子で映画化された『恋愛寫眞』の“もうひとつの物語”だ。「いま、会いにゆきます」の原作者、市川拓司が書き下ろし、設定は違えど、『恋愛寫眞』と主人公の男女が同じ役名で、同じように写真にまつわる恋物語である。

玉木宏演じる誠人は、大学入学式の日に、車がまったく止まらないことで知られる横断歩道で、それでも手を上げて車が止まってくれるのを待とうとする不思議な女の子で、宮崎あおい演じる静流と出会い、何故か一方的に好かれることになる。一方で、誠人は黒木メイサ演じる同級生のみゆきに恋することになり、一見、典型的な三角関係の構図に陥る。

序盤、地味でピュアな大学一年生をうたうには、多少見た目に無理のある玉木宏に一瞬困惑するが、それ自体も気にならないほど、宮崎あおいのこれまでにない天真爛漫で非現実的なキュートさにひきつけられる。ある理由により身体の成長が遅れた女の子を、無邪気な愛くるしさで表現する宮崎あおいは、これまでみたどの役柄よりも生き生きとしている。ある種、漫画的なキャラクターという意味では、『NANA』のハチと同種だが、より楽しさをもって演じているのが伝わってくる。

そして、物語はひとつのきっかけを迎える。誠人と一緒にいたいがために写真をはじめた静流が、コンクールに応募するモチーフとして、恋人たちのキスを選び、作品として、誠人とキスする写真を撮ることになるのだ。誠人と静流のキスシーンは、この映画の中でも最も美しいシーンに仕上がっている。宮崎あおいの表情にあらわれる純粋な想いの成就のカタチに、観ているこちらまでやわらかい感情が生まれる。

物語は、このキスより一気に急変していく。展開は述べないが、この後の宮崎あおいの演技、特に彼女のナレーションの情感が、静流が秘めていた物事が明らかになるにつれて相対的に深みを増す。そして、ラスト10分は、観るものの涙を誘うだろう。

宮崎あおいに焦点をあてて『ただ、君を愛してる』という作品の魅力を述べた。それは、この映画の肝が、里中静流という人物にあり、彼女を演じた宮崎あおいという女優の存在なしには成立し得なかったからだ。宮崎あおいの持つ演技の幅と純粋性が、里中静流というファンタジックなまでに無邪気で人を愛することに強く純粋でいれる人間を演じることを可能にした。この物語は、人が人を好きになるという、僕たちが忘れがちな純粋な気持ちを思い出させてくれる。そして、その中心にいる宮崎あおいが生み出す愛についての感動を、この作品を通じて堪能して欲しい。

執筆:中井 圭

「いま、会いにゆきます」の原作者として知られる市川拓司の小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を、宮崎あおいと玉木宏の主演コンビで映画化したもの。病気による肉体的なコンプレックスから、大学に入学しても他の人間を避けるように生活していた誠人。その彼に、少女のような風貌と不思議な感性を持つ同級生・静流が近づいてくる。誠人の趣味である写真を通して友人のようになっていく二人。やがて二人は同居生活も始めるが、誠人のことが気にかかる静流に対して、誠人はクラスメートのみゆきに心惹かれていた。そして二人が始めてキスをした日、誠人は初めて静流を愛していることを自覚する。しかし静流は、彼を置いてニューヨークへと旅立ってしまうが?

非常に内向的な誠人と、常人とは違う行動と感覚でわが道を行く静流。ちょっとだけ変わったキャラクターを持つ二人が、純粋な愛情で結ばれていく様を綴った作品である。大人に成長したら死の危険性がある奇病を患っている静流は、少女のようでありながら強い意志によって自分の人生をコントロールしている難しい役。これを見た目にもピッタリの若き演技派・宮崎あおいが、抜群の存在感によって演じている。彼女なくしてニューヨークへと旅立った静流が、誠人の中に強く刻まれている永遠性は出せなかっただろう。対する誠人役の玉木宏も恋に対しては鈍感だが、カメラによって自然や街と対話する青年の内面的な柔らかさや優しさを抑えた演技で表現している。

二人は静流が写真コンクールに出品する作品を撮るため、美しい池のある秘密の場所でキスをする。このキスは誠人にとって静流への恋の始まりであり、この後ニューヨークへ旅立つ静流にとっては別れのキスでもある。二人の心が一瞬だけ結ばれるこのシーンは、作品全体を包み込むほどのインパクトを持っている。後半には数年後、カメラマンとして独り立ちした静流の写真展を、誠人がニューヨークまで見に行くエピソードが描かれるが、そこで誠人が知る静流の彼への思いはラストに深い感動を呼ぶ。

TV「アルジャーノンに花束を」などで知られる新城毅彦監督は、ファンタジーとリアルなラブストーリーとの微妙なバランスによって、二人の純粋愛をうまく際立たせた。作品の題材、役を自分のものにした主演二人の演技、バランスが取れた監督の演出。それらがうまく融合した、この秋に打ってつけのデートムービーと言えるだろう。

執筆:金澤 誠

泣ける秋映画!本編冒頭祭 『地下鉄(メトロ)に乗って』 『ただ、君を愛してる』 『手紙』 『サッド・ムービー』
 

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